※今の設定とはまるで違うはとむねプロトタイプを書き直してみたよ
というアレ。
*性格も今の兄弟とはまるで違うのを今の性格に。
*パラレルと言うかそんな感じで軽く楽しんで頂ければ幸い。
室内ゲームに興じるのは雨の日と決まっているじゃないか。
そう黒い男は言いながら彼女の頭に牡丹を飾る。
「やっぱりこれが良いじゃないか。これが無かったから前々回は負けたんだ」
「…そうですかねえ」
「そうに決まってるだろ~。そうじゃなきゃこのボクが負ける訳ない」
「…はあ…」
ずる、とずり落ちた牡丹の花びらが肌をくすぐる。
むず痒くて、たまらないが彼女…
にはその花びらを退ける術は無かった。
ぎりぎりと手首に食い込む不器用なロープ。繋がる先は至極平凡な木の椅子。
チープなウェスタンムービーの“人質”のようなその格好。
…まあ、人質ではなく彼女は“戦利品”なのだが。
何時からこんな事に巻き込まれてしまったのだろうか。
虚しく頭を振るが思い出す事は叶わず、脳裏に浮かび上がるのは断片的なフィルムの欠片。
物心ついた時には既にこの椅子に縛り付けられていた気さえする。
「何考えてる?お前は今ボクの物なんだからボクの事だけ考えてろ」
「た…例えば?」
「そうだな…」
「……」
「……」
「……何でボクが考えなきゃいけないんだ。貴様が自分で考えろ!」
「いっあ、い、ででででで」
勝敗は、誰の目から見ても明白であった
「赤を左の手でぇええ~」
「くっ…」
黒の男、極卒は苦悶と怒りの表情を浮かべ赤の男、酷卒を睨み上げた。
「あはあ、無理じゃなあぁああい?」
対するその赤の男はにんまりと裂けんばかりに口を開き嗤っていた。
その表情には全く焦りなどは見受けられない。
「…何処がどうなってるんですか…」
「んー?詳しく言うと右腕が左足の下を通ってて、今は左腕と右足だけで体支えてる感じかなあ」
「…」
「あ、右腕で右足触れるよ~」
「…」
気持ち悪くなったのか、見るに耐えなくなったのか、戦利品の少女
は目を背けた。
「で、届かないんじゃない?弟君
ボクが君に近い所取っちゃったもんね~」
「…っ」
「今までやりやすいように体に一番近い所を取ってたのが間違いだったね~」
「ぐううぅい…っ」
ぴくぴくと左手が痙攣し、身体と共に力尽きた。
べたりとシートの上に墜ちる様子がスローモーションのように見え…はしなかったが
まあ多少みっともない形で極卒は突っ伏した。
「はいはい、ボクの勝ちぃ」
「ぐううううううううぐぞおおおお」
「はあ…」
じたばたと子供のように騒ぐ極卒。楽しそうにシートを片付け始める酷卒。
は手元の色決定ルーレットを見つめ深くため息をついた。
雨はまだ、止みそうにない。
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プロトタイプを焼き直してみような感じのアレ。
別にネタが切れた訳では。…切れた訳では。
プロトタイプごっくんはですますの丁寧な口調でいきなりブチ切れる大分アレな人でした。
いや、今も大分アレですけど。