「しつ、け」

「ああ、躾、だ」

社内のポケモンの育成や躾を任させる事は多々ある。と言うよりはその為にこの会社に存在していると言っても良い。
誰の言う事もきちんと聞くようにポケモン躾け、鍛える。仕事としては地味な部類だが、は一目を置かれていた。

が、今回は勝手が違っていた。そのポケモンはー、

「まあ、要するにお得意様のポケモンをお前が躾ける。それだけだ」

「それだけ、か…」

不安そうにはコーダイを見上げた。

「どうした?いつも通り、何も変わらないだろう。心配なのか?」

「べ…つに」

視線をそらすを、ふん、と鼻で笑ったコーダイは“その”ボールを差し出す。

「依頼者曰く、乱暴者で、手がつけられないと困るそうだ」

「……」

それじゃあ、頼んだぞ。と手を振って去って行ったコーダイの後ろ姿を見送る。



乱暴者で、手が付けられないと困る。と言う意味はこの後むざむざと思い知らされる訳で。










「くっそ…ノーガードでクロスチョップ…!!」

ガン!ガン!と凄まじい威力の衝撃がリフレクターに何回も叩き込まれる。タイプ的に有利なフーディンのサンタも防戦一方になってしまう程で。

「ボールから出してすぐにこれ、って…」

出した、と言うより解き放ってしまった。と言うべきだろうか。
奴はボールから出た途端に狙いをに絞って攻撃して来た。用心を、とあらかじめサンタをボールから出しておいて良かったと思った。

「ごめん、サンタさん…」

そう思ったと同時に、もっと用心するべきだったと彼の胸元で守られながら、彼女は反省した。自分がもっと離れた場所に待機していればそれだけ奴には隙が生じる筈だったのだ。実際、サンタは自分を守ろうとして防戦一方になっている。
こうやって防御しているのももう限界だろう。叩き込まれるチョップのスピードと威力は未だ衰えず、寧ろ強くなっているとさえ感じる。


「…っ、今だ!!」

ひゅっと、何かが、飛んだ。何かの、しっぽのような、とても興味をそそられる、それ。

「…!!」

奴の、視線は一瞬だけだがそれに、向いた。

「!!!!」

光るスプーン、吹っ飛ぶ巨体。追い討ちをかけるサイコキネシス。
びくびくと動く筋肉の巨体が完全に床に横たわって、は思わず肩を下ろした。

「…あぶな、かった…」

「それにして…も。色違いのポケモン…」










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ケータイのメモからほぼ直接うpする試み。
行間だけ弄り弄り。
まだ夢主さんがコーダイネットワークに居た頃のお話的な。