なんとか元のペースに戻った事だし
さあて、やる事やらなきゃねえ
は
と
む
ね
せ
ん
そ
う
ご
っ
こ
ばさばさばさばさばさ・・・
酷卒の手から紙の束が遠慮なく落ちていく。
「なんだ、これを処理しろと命令しただろう」
「処理といわれましても結局は貴方のサインが必要ですが」
ちっ、と軽く舌打ちしての手から万年筆を受け取った。
「めんどくさい〜・・・狗、代わりにやれ〜」
ぶつぶつとぼやきながらも極卒の手は休みなく動く。
かり、かりかりかり
どこか心地よいような、ペンがすべる音だけが部屋に響いていた。
「・・・い、よし。コレで終わりだな」
「三佐、お疲れ様です」
「やー、終わった終わったね〜」
「貴様は何にもしてないだろうがー!」
あはあ、といつものように酷卒が軽く笑っていった。
「でもさあ、結構スムーズに作業進まなかった?
ボクの助けなんか要らないぐらいに☆」
「殴るぞ」
はあ、とが軽くため息をついて聞いた。
「・・・お二人って余り仲良くないんですね」
「全く持ってその通りだ」「え、そうかなああ」
重なる声にますます深いため息をついた。
ソレを見て酷卒が苦く笑う。
「ボクは君の事大好きなんだけどねえ」
「そんな事夢にも思ってないくせに」
極卒の突き放すような言葉に、酷卒がゆっくりと首を傾げた。
「そんなあ・・・酷い事言うなあ。ボクはそんな事決して思ってないよ
なんたって、ボクと君は、」
次の言葉が酷卒の口から出ようとしたまさにその瞬間
べちこん
「に、二佐っ!?」
「あびっ・・・」
「余計な事言うな」
かちかち山が顔にクリーンヒットした酷卒はゆっくりと後ろに反って
どたん
椅子から倒れた。
「大丈夫ですか二佐!・・・極卒三佐さっきから少し酷くないですかっ・・・!」
「いいんだいそんな奴!ほっとけ〜!!!」
腕を組んで、ふん!と子供のようにそっぽを向いた。
「・・・もう!三佐!!」
「あ〜、いいのいいの〜」
つつつ、と垂れている鼻血を袖で拭きながら横たわった酷卒が言った。
「ただちょおっと彼は恥ずかしがってるだけなんだから〜」
「気色悪いなっ!誰が恥ずかしがってるだと!?」
「三佐っ 落ち着いてくださいー!!」
暴れる極卒を慌てて止めながら「聞くんじゃなかった」と心底は思ったそうな。
**********後書き
ちょっと今まで長いのが続いていた中エライ短いですこの話。
まあ次の話への繋ぎだからしょうがないんですが。
あと酷卒くんが言おうとしてた事は後々また出せたらいいなあ、なんて。