下ろされて、ふと気が付けば、何時の間にやら

きっちり綺麗に整えられた

花柄の布団が











「さあ、さっさと本を読んでくれ、寝るから

「は・・・はあ・・・」(・・・花柄・・・。しかも桃色・・・)

渡されたのは「我が闘争」目の前には横たわるは我が上司。

なんとも反応しにくい状況である

「ええと・・・それで・・・は・・・?」

ぱらりと本をめくれば、ソコに広がる。

「あの・・・極卒三佐」

ン〜?何だね〜。発言を許可するよ〜」

私はドイツ語は読めませんのですが

がばりと布団から起き上がりびしぃぃぃっと中指をに突き当てた。

の馬鹿!!!

「っは、はいっ」

もう知らん。とふて腐れた台詞を吐き極卒は布団にそのまま潜った。

「・・・あの〜・・・三佐?

「・・・・・・・・・・知らん。なんか出てけっ!!

「あの「出てけ〜って言ってるだろうがっ!!!でえ〜てえ〜けえええええ!!!!

ばふばふばふと枕を振り回す極卒の勢いに押されは部屋から慌てて出て行った。

「おっ、おやすみなさいませっ!!!










「やあやあ〜、本当に約束どおり来てくれたんだね」

「え、ええ・・・まあ。というか自分の部屋に戻ってきただけ・・ですが」

「あはあ、そういやそうだった。・・・なんだか様子がおかしいね?

ん?んん?あはあ、彼を怒らせて来ちゃったんだろう〜?」

ゆっくりと埃っぽいベッドから彼は立ち上がる。
ぼろぼろのカーテンがひらりと風になびいた。

「あはあ、図星。だね?

「・・・はい」

「彼、上機嫌だったんだけどね、・・・あれでも。

寂しい長い夜に御本を読んでくれる優しい部下が出来たと思ったのにね

なのにね、かわいそかわいそかわいそおおおに」

ぐねり、と異様な方向に身体を傾げ彼は近付いてくる。
にこにこと笑っているのに、目だけはしっかりとを捉えていて。

ぞっと、あの部屋が思い出される。

そんなの様子に気づいたのか、より一層顔を歪ませて彼は嗤い、

ボクの事、まだそんなに怖がってるのかい

耳元で、そっと、囁いた。

「うふふう、そりゃあそーだよね〜

何食わぬ顔してるけどさあ、怖いんだヨ、ねえ?

「・・・・・・何か、私にお話があるんじゃないですか?」

見かけによらず結構強がりだね、ぼそりと彼は呟いた後

「そういやそうだった。

うんうん、君とお話したいってことはね」





ボクさあ、君の事、好きい





「・・・・・・っはい?

我が耳を疑う勢いで獄卒に聞き返す。
何故今日一日だけでこんなにも濃い出来事が重なるのか。

「だからね、ボクさ〜

君の事好きになっちゃったみたいなんだよ

ほらあ、最初に君に会ったときから」

「そ、そ・・・んな事、」


「その時から思ってたんだけど君ってさあ、すごく

おいしそうなんだよね


空気が、止まった気がした。
ぞわああっと背中に何か嫌なものが走る。

「なんなのかな、ええと上手くいえないけど、

ってねえ、凄くいい匂いがするんだよ、知ってる?

それがすごく、すごく

おいしそうなんだよ?



食べちゃいたいぐらい に さあ


ふら、とバランスを崩し床に座り込む。

「あはあ、腰抜かしちゃった?

すっと、に手を差し出す。

「まさか本当に”ボクが君を食べたがってるとでも思ったのかな?かな?」

「・・・・・・どうみても、冗談と・・・・・言うような顔ではありませんでしたが、」

獄卒さん、と言葉を続けようとすれば、彼が遮る

「あのさあ、できれば酷卒”って呼んでくれないかい?」

「・・・はい?自分で獄卒って呼ばれてるって言ったじゃないですか」

「そっちは皆が勝手に呼んでる”だけ。

ボクの本名はそっち」

「・・・へえ、そうなんですか」

ゆっくりと酷卒の手を握り立ち上がる。
の口調も、表情も、明らかに怒ってると一目で分かるもので。

ちょっとやりすぎちゃったかな?と酷卒は苦笑した。

「うん、言いたい事はそれだけ。からかってごめんね。

お話聞いてくれて有難う」

「・・・お礼には及びません。それではおやすみなさい

酷卒さん」

「あ、酷卒の後ろは二佐ってつけてね。ボクの階級だから。

あ、でも酷卒さん(はあと)って呼ばれるのもいいなあ〜

ぐいぐいと背中をに押されながら酷卒はしぶしぶ部屋を出て行った。

ばたん

再び還ってくる、静寂。
ぼふ、と埃臭いベッドに飛び込みゆっくり深呼吸。

・・・どこまでが冗談でどこまでが本気なのか・・・

はあ、と小さくため息をつき、そ・・・っと自分の唇を触ってみた。
まだ頭がくらくらする。

はあ、と再びため息をついた彼女の顔は、

赤くなっているような、青くなっているような
そんな微妙な顔でした。





今日一日、お勤めご苦労さまです。
また明日も、頑張りましょうね、さん。




「・・・・ってあの人三佐より階級上・・・!?










**********後書き
・・・ええとノーコメンt(ry
遂に本名発覚。獄卒君(仮)
撲殺くん獄殺くんかで小一時間ほど迷いましたが
スタンダードに行って見ました。てへ(てへじゃねえ)