鏡でも置かれたみたいな気分だ。
瓜二つ。鏡に映したみたいに。
は
と
む
ね
せ
ん
そ
う
ご
っ
こ
「っまあ〜でもさあ。君の演説もこんな女の子に聴いてもらえないようじゃあね・・・?
そろそろ引退を考えるべきじゃないかな〜?かな〜?」
「うるさい、口出しするな」
目の前で喧嘩でも始めそうな雰囲気の二人。
は、正直混乱していた。
一体自分はどのような状況に置かれているのだらうか。
というか、
「あの」
「ん〜?なんだい?」
未だにの顎を上げ続ける金髪が先に返事を返した。
自分からよく見えるようにの顔を更に上を向かせる。正直辛い。
「・・・まず、この縄を解いてはくれませんか」
「いいよ」
「誰が許可したんだ」
ぶちぶちぶち、と軽快に縄の千切れる音がしての身体が開放される。
黒髪が苛立っているかのようにゆっくりと手を組んだ。
「そんな目で見ないでよ〜、だってこのままじゃあ可愛そうじゃないか」
、と呼ばれてふと気がついた。
「なんで…私の名前を?その前に貴方達は誰なんですか?」
大きな目をきょときょとさせながら金髪がの顔を覗き込んだ。
「知らない?知らない!? もしかして教えてない〜?」
「うるさいなっ!今夜じっくりたっぷりボクの凄さを教えてやる所だったんだ!!」
ぎゃあぎゃあと再び喧嘩まがいのことをしている二人を見ては思った。
なんということだ、事態は悪化している。
「あの、と、とりあえず名前・・・だけでも」
ぽつりと呟いた一言にぴたりと止む口論。
じろっとを見る二人。
「極卒だ」
「階級は三佐」
「・・・・・・!?」
極卒と名乗った黒髪の彼、に続いて発言した金髪の彼の言葉には絶句した。
三佐って、三佐って、
「この基地で3番目に偉い人だ・・・」
「ふっふっふ、やっと分かったかね〜?ボクの偉さが!!」
ずびし!!と目の前に黒塗りの爪の、中指。
「、これから貴様をじっくりと教育しなおしてやる
じっくり“かわいがって”、泣いたり笑ったり出来なくしてやる!」
「え・・・あ、はい」
あまりの剣幕に思わず返事を返す。
これからどうしてやろうかとぶつぶつ楽しそうに呟く極卒。
にまにま笑いを堪えながらその様子を見守る金髪。
何一つ解決してないのは気のせいか。
「大変だね〜」
「・・・誰の所為ですか」
**********後書き
とりあえずひと段落ついた・・・かなあ?
なんかいきなりギャグ臭いようななんというか。
そしてひっそり名前を明かしていない金髪君。