震えが、






     





ばだああん!鉄のドアがいつもの勢いで開く。

あ、おっかえりー!

ティカップを用意していた酷卒がにこにこと笑う。
反面入って(蹴破って)入ってきた極卒はなんだか不機嫌そうで。

あらあらあ?どうしたの?」

「・・・な、なんでもないんです・・・」

何処か青い顔をしたが力なく笑った。

「むー・・・」

ずい、と酷卒が近寄って屈み、じろじろとを見る。

「・・・えと・・・その・・・」



ぐわば、と



えっ!?

抱きかかえた。

「ちょっと・・・その酷卒二佐っ?

そのままどさりとソファの上に寝かせる。
無言のまま自分の赤い軍服を脱ぎ、ぱさりとにかけた。

「・・・えと・・・?」

「・・・・・・」

「・・・ごめんね、ボクがお使いなんて頼んじゃったから・・・」

ソファの脇に跪くと寝ているの頭をゆっくりと撫でた。

「今日はゆっくり休んでていいよ?」

何でお前が勝手に決めてるんだ

だっていいじゃん!ほんとはボクの方が階級上なんだしっ

それにちゃんなんか調子悪そうだもん・・・」

「・・・・・・」

極卒が黙りこんだ。
ゆっくりに近付いて、同じように頭を撫でる。

「・・・お前に何があったか知らんが、言いたくないんだったらそれでいい・・・今日はゆっくり休め。

その代わり後でじっくりこき使ってやる

フン、と小さく呟いて極卒は書斎の奥へ引っ込んでしまった。
その様子を見ながら酷卒が苦そうに笑う。

「弟君を許してあげて?・・・あんな表現しか出来ないの」

「・・・いいんです」

頭を撫でていた手を止めの頬に小さくキスをした。


「・・・

「えへへ、君が寝るまでボクがずっと頭なでなでしてあげるからねっ

・・・だからゆっくり、お休み


いつもは冷たく感じるその手が妙に暖かく感じた。
ゆっくりと目を閉じる。微笑む酷卒の顔が見えなくなる。

落ち着きを取り戻してきた。




だがまだ、









震えは止まらない。










**********後書き
繋ぎの話。後半?へ続く。