きっともう駄目なのだろう

何かが崩れる音がした






nirvana [ニルヴァーナ] The die is cast.




嗚呼そんなの酷い。あの人がもうやられてしまうなんて。
ショックが大きすぎて足に力が入らない。

「・・・いくらなんでも早すぎます・・・そんな・・・」

がくりと地にひれ伏す。土の香りがした。

「・・・でも、悲しんでいる暇もないですね」

振り向きつつよどみのない動きでクイーバーから矢を抜き、放つ。
放たれた矢は相手の右肩に突き刺さった。



っぐあ!・・・ちくしょう!!

「三人ですか」

視線を動かし敵を確認する。
少数ではあるが彼らはの周りを取り囲む。

「お前は・・・確か副神兵長の」

「はい、です」

平然と返事を返すにイラついたのかもう1人が声を荒げた。

ふざけるな!!

「・・・別にふざけてなどいません・・・

それよりも今なら、まだ無傷で帰れますよ?」

にこ、とが口だけで微笑んだ。
3人の背中にぞくりと寒いものが走る。


「・・・っそんな事言えるのも今のうちだ・・・!覚悟しろ!!!

「そうですか。それでは遠慮なく・・・行きますよ!

言うが早いかそれこそ遠慮なくバズーカがぶっ放された。
轟音と煙が辺りを支配する。


やったか!?

「いいえ、まだ死んでません」

背後から聞こえる穏やかな声。
振り向く男の顔は驚きに満ちている。

「さよなら」

がその顔を優しく撫でた。


「・・・・衝撃インパクトォ!!!


ボゴォン!と豪快に吹っ飛ばされた彼の身体は黒い煙を波立たせた。

てめえ・・・!!!

「あと二人」


再び矢を構える。
その表情は冷たく、そして




「覚悟してください」




とても寂しそうだった。










**********後書き
ちょっとした戦闘描写。