使いっぱしりだし

血だらけ傷だらけ泥だらけだし

色々と情けない




nirvana [ニルヴァーナ] a secret the first part




いひゃひゃひゃひゃい!!!シュラさんやめひぇくらひゃいぃ

これでもかと言わんばかりに頬をつねられる。
どうやら酷くご立腹のようだ。

「何をやってるんだお前は!!こんな醜態まで晒しおって・・・!!!」

「わ、私は私なりに頑張ったん・・・です・・・」

ぽつりと自信なさげに言いながらそそくさとオームの後ろに逃げる。
小柄な所為か、すっぽりと隠れて見えなくなった。

「あァ腹立たしい・・・大体もう夕ご飯とかいう時間じゃないだろう」

突っ込むべき場所が違う気もするが、実際もう夕ご飯というより夜食という方が似合うぐらいの時間だった。


「まあとりあえず・・・我々が・・・ンンンンンーン!!

「おい・・・」

ンンン・・・・・・ンンンン!!!

おい!! 喋りにくいだろ、下唇を噛んだままだ。・・・ほら、オマエも離れろ」

ぐい、と優しく押しのけられる。

「大体なあ・・・言ってるだろ!おれ達がエネル様に呼び出されたのは貴様がワイパーを逃がして、

・・・っお前らが馬鹿やってたからだ!!!

ビシッとオーム、ゲダツ、と順々に指差して怒鳴る。

っひえ!!?

その罵倒がさっきのほっぺたの件でびくついていたに止めを刺した。
・・・今にも泣き出してしまいそうな顔だ。
そんな様子を見ながらふう、とオームが呆れたように息を吐いた。

「・・・そんなに怒鳴ってやるな、だってそれなりに頑張ってたんだ・・・だろ?」

わしわしと大きな手で頭を撫でられる。の瞳からはぽろぽろと涙が溢れて、泥と血で汚れた顔を清めていた。

「(な、泣くな、。神に仕える者がそんな簡単に泣いてはいかん!)」

背の高いゲダツが腰を折りながら手袋での顔を拭いてやる。

「・・・ゲダツ。喋る時は声を出せ、それと普通手袋じゃなくてハンカチか何かを使うだろ」

うっかり!!といつもの効果音を飛ばしながらハンカチを取り出し、またの涙を拭う。
くたびれた白いハンカチが赤茶色に少しだけ汚れた。



「・・・全く腹立たしい・・・。大体なんでオマエまでおれ達と一緒に居るんだ」

すっかり落ち着いて少しだけ鼻の赤いが振り向く。

「え・・・、あの私も呼ばれましたので・・・」

「ゴッドにか?」

ハンカチを鶴の形に折りながらゲダツが聞き返す。
何気に器用だ。

「いえ、神兵長にです」

「きっと今日の事を報告しろって事なんだろう」

少しだけずり落ちたサングラスを指で上げながらオームが呟く。
また少しだけがびくついた。

「お、怒られるんでしょうか・・・ね・・・」

「「「あァ、そうだろうな」」」

「なっ・・・なんでこんな時だけ皆さん仲いいんですかっ」

冷や汗をだらだらかいたが小さな悲鳴をあげた。







「ゴッド、神官達がお着きに」

扉を開けよ

ギギギ・・・と扉が開いた瞬間周りに居た3人が、ばっ!と戦える体制をとる。
扉の前に一人残されたが目をぱちくりさせていた。

「・・・またか。何をしている!!お前達!!!」

呆れたようなため息交じりの声が後ろから響いてきた。多分神兵長のヤマだろう。

「しようのない・・・」

黙れ!!!

臨戦態勢は崩さずにシュラがまた怒鳴りつける。

「大体コイツ等が足を引っ張るせいで存分な力が発揮できん!!」



「島の“番”ならおれ一人にやらせてくれた方がいくらかいい働きをするぞ」

その言葉にかちんと来たのかオームが言葉を返す。

「随分でかい口を利きやがる。

貴様の実力など本来、どれ程のものか思い知らせてやろうか

悲しみの求道“鉄の試練”でな!!!」

「ちょ・・・二人ともそんな喧嘩しないで・・・」

、お前は少し黙っていろ。これはおれ達の問題だ!!」

不機嫌MAXのシュラにぎろりと睨まれて思わず「ひっ」と小さく呻いた。

「・・・!そうやってに当たるんじゃない大体お前はな・・・」

「あァ?なんだと・・・?」

一触即発の雰囲気の中、空気を読めない人物が一人。

くだらん・・・

「「なんだと・・・」」

“空”気読めない“番長”ゲダツその人である。
殺気丸出しの二人に臆することもなく(というより全く気づいてないのかもしれない)言葉を続ける。

「取るに足らぬわ貴様等の試練など・・・・・・!!!」

「ゲッゲダツさんまで」

嫌な汗がつつつ、との顔を流れる。ちら、とヤマの方を見て、
助けてくださいコールを送ってみるがふぅ、とため息をつかれるだけだった。

どうしてこうなるの・・・!!

またもや半泣きになりそうになったの背後から声がかかる。

ヤハハ!隙だらけだな」

「「「「  」」」」

バリッと体の中を針のようなものが通り抜ける感覚。
次いでぐい、と体を引っ張られる。

「ぐァ」「ウ!」

呻くような声が聞こえた。それに続いてテンポ良く3人の倒れる音が。
べしゃ!と地面に叩きつけられる。

「いっ・・・つつ・・・」

うな垂れるように下を向いているとくい、と顔を上げさせられた。

「ヤハハハハ・・・いい顔をしているぞ、

顔を上げれば実に愉快そうな笑みを湛えたエネルが座っている。

「何をなさる!!!」

「・・・・・・」

「全く・・・お戯れを・・・・・・ そんな事をする為に我々をここへ?」

それぞれが多少不機嫌そうな顔をしながら起き上がる。

「ヤハハハハ退屈だったのだ まァ座れ。 ・・・お前はここでいい」

「はい?」

立ち上がろうとしていたを引き止める。
3人の顔がますます不機嫌そうになったのは気のせいか。

そんな3人の気を見透かしてかにやりと笑い、言う。

「―――お前達あの青海人達をあまり気に止めてないようだが・・・・・・」




奴等の狙いは黄金だぞ










**********中書き
中書き・・・(なんじゃそりゃ)
とりあえず長いので前編後編に。